北里大学薬友会

ご挨拶(2023年2月)

会長

北里大学薬友会会長
成松 由紹

 4年目に入ったコロナ禍、本原稿を書き始めた令和5年新年は感染拡大の第8波の真最中。年末年始は久々に行動制限のない休暇になった。空港での出入国も緩和され、デパートの初売りは大盛況で街も少しずつ賑わいを見せている。カタールのサッカーワールドカップでは、マスク無しで応援する観客の姿が大きく映し出された。その影響からか中国では若者を中心に厳しいゼロ・コロナ政策に抵抗したデモが勃発して、政府は一気に市場開放策に転じた。一人一人が、職場や会社が、日本中が深刻な日々を過ごしている。早い終息を切に願うばかりです。

 遅くなりましたが、先ずは会員の皆様に新年のご挨拶を申し上げます。『新年明けましておめでとうございます。昨年も皆様方からの温かいご支援を頂戴いたしましたこと、厚く御礼申し上げます。今年も引き続きご厚情を賜りますよう御願い申し上げます。』

 長引くコロナ禍にあり、薬友会の企画したイベントの多くは、昨年も一昨年と同様に中止に追い込まれました。誠に残念でなりません。学生の授業は少しずつ緩和され、感染防止策を講じながら分散による対面授業が始まっています。本会の理事会は、リモートと対面のハイブリッド形式での討議です。

 最近、コロナ禍を取り巻く状況が大きく変わってきました。更なる空港検閲の緩和でインバウンドが増加に転じて、政府は経済回復へ大きく舵を切り、5月8日からはコロナ感染症の分類を「2類」から「5類」への変更を決めました。この変更に関して専門家からの発信が少ないのが気になります。インフルエンザと同じ分類になるものの、タミフルやリレンザ等の特効薬はほぼありません。また、ワクチンはこれまで同様に公費負担のようですが、治療費は自己負担に代わります。生活困窮者が増加している状況があり、また、光熱費や各種物価が急上昇している中、本当に「5類」にしてよいのでしょうか。市中の病院やクリニックの受け入れ態勢は整っているのでしょうか。オミクロン株からXBB1.5株への置き換わりで、第9波や第10波は起きないのでしょうか。防衛費捻出のために、医療費が犠牲にならないでしょうか。医療の現場での混乱が弱者や高齢者に、しわ寄せを及ぼすことのないことを心から願います。私達は医療従事者の一人として、しっかりとこの歴史的な、世界的な感染症から学び、そして見届けて行きたいものです。

 〝ウィズ・コロナ″が叫ばれる中、多くのことが緩和されましたので、薬友会としても、久し振りに来る3月19日にホームカミングデー並びに同期会の開催を企画いたしました。勿論、感染症状況をしっかりと見極めながら開催を判断していきます。大勢での対面や飲食といった従来の方法での集まりは困難ですけれども、知恵を出し合い楽しい開催に漕ぎつけたいと考えております。同期会は卒後10年、20年、30年、40年、50年の皆さんを対象に薬学部の現状を知ってもらい、少しでも懐かしい同級生や先輩、後輩らとの親睦を重ねて頂きたいと願っております。この会報が届く頃には成功裡に終了していることを期待しております。この企画は可能な限り毎年開催を予定しておりますので、万障繰り合わせてご参加下さい。

 ご承知の通り当大学には7つの学部、理学部、医療衛生学部、薬学部、獣医学部、医学部、海洋生命学部、看護学部がありますが、今年度から新しい学部、「未来工学部」(データサイエンス学科)が誕生します。将来の発展と既存学部とのコラボレーションが期待されています。

 最後になりますが、皆様方に2つのお願いがあります。一つ目はリモートで参加可能な理事を全国から募集いたします。現在、理事は関東圏在住の方が中心ですが、リモートが普及した現状では全て対面で議論する必要はなく、リモートを活用し多岐に亘る世代から、更には全国各地から広く人材を募集したいと考えております。是非、皆さんのご参加をお願いいたします。二つ目は毎度のことですが、年会費の納入のお願いです。現在の薬学部卒業生の総数は15,000余名です。現役学生への支援、郵送での連絡、会報の印刷、送付等々、十分な活動を展開していくには費用を要します。円滑な活動のために会費納入へのご理解とご協力を伏してお願い申し上げます。 薬友会に対するお問い合わせやご意見、ご要望は遠慮なく事務局へ連絡頂ければ幸甚でございます。

 会員皆様の今年一年のご健康とご多幸、そして益々のご活躍を祈念申し上げます。